俊敏しゅんびん)” の例文
彼は、俊敏しゅんびんとか剛毅とかいうたちではなかった。どっちかといえば聡明そうめいな人で、精神家というよりも、理性家であった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
同じく年老いた童貞の女で、名前をヴォーボアと言い、全然愚蒙ぐもうな婆さんであって、ジルノルマン嬢はそのそばで一つの俊敏しゅんびんわしたるの愉快を感じていた。
俊敏しゅんびん早熟そうじゅくの上に盲目になった結果として第六感の神経がまされてもいたことを思うと必ずしも突飛とっぴな想像であるとはいえない気位の高い春琴は後に恋愛を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
だから秀吉も、時には、余りに俊敏しゅんびんな官兵衛の働きや、その機智に、出し抜かれなどすると
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)