“依而(よって)” の例文
一 私儀(わたくしぎ)狂言作者志望につき福地先生門生(もんせい)と相成(あいなり)貴座(きざ)楽屋へ出入被差許候上者(でいりさしゆるされそうろううえは)劇道の秘事楽屋一切の密事決而(けっして)口外致間敷(いたすまじく)候依而(よって)後日(ごじつ)のため一札如件(いっさつくだんのごとし)
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
事情斯くの如くに御座候間小生は御貴殿様に頭の上らぬ代物(しろもの)に御座候。万一にも御恩を忘れ候節は此証文を取引所前にて御公表も不苦(くるしからず)、依而(よって)一札(さつ)如件(くだんのごとし)。
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「今日より六十日の期限に、該当地上の長屋を取払う件、固く契約されます可く、依而(よって)、そういうわけだから、ひとつ、これだけは儂としてはっきり云って置く」
長屋天一坊 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
寸刻の猶予(ゆうよ)もなりがたく覚えられ候に依而(よって)、早々、おさしず下し賜わるよう……
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新免無二斎(しんめんむにさい)の遺子武蔵(たけぞう)事(こと)、予而(かねて)、追捕(ついぶ)お沙汰中の所、在所の山道に出没し、殺戮(さつりく)悪業いたらざるなきを以て、見当り次第成敗仕る可者也(べきものなり)、依而(よって)、武蔵調伏に功ある者には、左之通り、御賞(おんしょう)を下被(くださる)。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)