依怙地えこぢ)” の例文
この男の腹では、かうして置いて「さあ飼へ」と云つたら、いくら依怙地えこぢな森でも、閉口するだらうと思つたからである。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
神谷は、浮々と口笛をそれに合せ、北見せん子の依怙地えこぢに結んだ唇から、何かを読み取らうとしたのだが、彼女は、時々、舟べりに顔を近づけて、魚の群に見入つてゐた。
双面神 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「よし/\何にかわけがあるだらう。若い者は飛んだところで依怙地えこぢになるものだ」
しか諸名家しよめいか菊塢きくう無祝儀むしゆうぎ取巻とりまき同様どうやうにするあひだに、菊塢きくうはまた諸名家しよめいか無謝儀むしやぎにて使役しえきせしなり、聞人もんじんといふものはいつの世にても我儘わがまゝ高慢かうまんぜにつかはぬくせに、大面おほづらで悪く依怙地えこぢ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)