侍童じどう)” の例文
左に太い幹をもつは楊柳ようりゅう。下には流るる河、上には浮かぶ雲。水に建ついおりの中には囲碁を挿む二人の翁。右には侍童じどうが茶をせんじる。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
「知ってるさ。こう見えても、人里の草刈り小僧とはわけが違う。老大仙に仕えている侍童じどうだもの」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
侍童じどうの頃より、弁ノ殿に長く仕えてまいった雑色ぞうしきの菊王にござりまする」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あなたは狩猟かりいでたち、菊王という侍童じどうを連れ、船中、ひたすら御書見だったが、そのうち乗合いの雑人輩ぞうにんばら世事話せじばなしに興じられて、彼らと共に酒汲み交わしなどなされ、いと面白げにおわしたが。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もし、侍童じどうさん。お師匠さまは、いつもの松鶴軒ですか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)