伯楽はくらく)” の例文
旧字:伯樂
「千里の馬ありといえども、伯楽はくらくなきをいかにせん、千里のだちょうありといえども、きみらには価値かちがわからない」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
部落では、いつの間にか彼を(伝平)とは呼ばずに(伯楽はくらく)と呼ぶようになっていた。伝平はそして(伯楽)と呼ばれることが限りもなく嬉しいらしかった。
(新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
は不幸にしていまだ良師を得ません。どうして近業の言うに足るものがありましょう。今伯楽はくらくの一顧を得て、奔踶ほんていして千里を致すの思があります。願わくは題を
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
間斎という伯楽はくらくは、年四十になって明を失したが、人の馬に乗って戸外を過ぐるものを聞いて、そのひづめの音で馬の駿しゅんと、大と小と、形と容と、毛の色とを判断して
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
声をきいて、源七郎君お自ら磊落らいらくそうにふり向くと、流れに垂れた釣竿をあやつりあやしつつ、じいッと退屈男をやや暫し見守っていたが、伯楽はくらくよく千里の馬を知るとはまさにこれです。
生田はあたか伯楽はくらくの見おとされたる千里の馬の如く呆れて其顔を
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
千里の馬も伯楽はくらくがどうとやらといいます。ネエ篠原君。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
まなじり深き伯楽はくらくは、 しんぶんをこそひろげたれ。
文語詩稿 一百篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)