トップ
>
仰向
>
あおの
ふりがな文庫
“
仰向
(
あおの
)” の例文
密閉した暗室の前に椅子が五脚ばかり並んで、それへ掛けたのが一人、男が一人、向うの
寝台
(
ねだい
)
の上に胸を開けて
仰向
(
あおの
)
けになっている。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なぜなぜと
仰向
(
あおの
)
けに寝返りして善平はなお笑顔を
洩
(
も
)
らす。それだっても、さんざん私をいやがらせておいて、と光代は美しき目に少し角を見せていう。おれが何をいやがらせるものか。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
一体空を見るのは薬だというので、皆
仰向
(
あおの
)
くような遊びでございますから、紙鳶をびい/\/\と揚げますれば、是非子供は空を見なければなりません。また羽根を突けば必ず空を見る。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若衆は、一支えもせず、腰を抜いたが、手を
支
(
つ
)
く間もない、
仰向
(
あおの
)
けに
引
(
ひっ
)
くりかえる。独りでに手足が動く、ばたばたはじまる。はッあァ、鼬の形と
同一
(
おんなじ
)
じゃ。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
血に
剥
(
は
)
がれてのた打つ
状
(
さま
)
して、ほとんど無意識に両手を
拡
(
ひろ
)
げた、私の袖へ、うつくしい首が
仰向
(
あおの
)
けになって胸へ入り、
櫛笄
(
くしこうがい
)
がきらりとして、前髪よりは、眉が
芬
(
ぷん
)
と匂うんです。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
戸外
(
おもて
)
は
限
(
かぎり
)
もない狐火のようにちらちらちらちら炎だらけ。はッと
後退
(
あとじさ
)
りに飛ぶ拍子に慌ててつんのめって、
仰向
(
あおの
)
けに倒れたやつでさ。もう天井から
紅
(
あか
)
い舌を吐いてるじゃアありませんか。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
斜
(
はす
)
に
仰向
(
あおの
)
け
状
(
ざま
)
にぐたりとなった。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仰
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“仰向”で始まる語句
仰向反
仰向様