仕丁よぼろ)” の例文
ここにその倉人女、この語る言を聞きて、すなはち御船に追ひ近づきて、その仕丁よぼろが言ひつるごと、ありさまをまをしき。
その中には、高津たかつのお宮のお飲み水を取る役所で働いていた、吉備きびの生まれの、ある身分みぶんの低い仕丁よぼろで、おいとまをいただいておうちへ帰るのが、乗り合わせておりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
ここに大后は、御綱栢を御船に積みてて還りいでます時に、水取もひとりの司に使はゆる、吉備の國の兒島の郡の仕丁よぼろ、これおのが國に退まかるに、難波の大渡に、後れたる倉人女くらびとめの船に遇ひき。