ちい)” の例文
どうだかね、わし内方うちかたへ参ったはちいとのだし、雨に駈出かけだしても来さっしゃらねえもんだで、まだ帰らっしゃらねえでごぜえましょう。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だから母親さんは厭ヨ、ちいとばかりお酒に酔うとじきに親子の差合いもなくそんな事をお言いだものヲ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ヘーそうかい……それに附けても早く内で帰ッて来ればいいが……イエネ此間こないだもお咄し申た通りお前さんのお嫁の事に付ちゃア内でもちいと考えてる事も有るんだから……もっとも私も聞て知てるこったから今咄してしまってもいいけれども……
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)