五節ごせち)” の例文
大弐だいにの娘の五節ごせちは、一人でしていた心の苦も解消したように喜んで、どこからとも言わせない使いを出して、二条の院へ歌を置かせた。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)
五節ごせちはもちろん、残菊の宴、重陽ちょうようの会などは、恒例こうれいの宮廷年中行事であるが、選虫の会だとか、初雪見参などは、むかしからめったになかった御遊らしい。
五節ごせち沙汰さた
こんな機会がまた作られたならば、大弐だいに五節ごせちに逢いたいと源氏は願っていたが、五節の訪問も実現がむずかしいと見なければならない。
源氏物語:14 澪標 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ところが、その後、五節ごせちの宴に、なみいる公卿たちが、乱拍子を高めて、歌いはやすのを聞けば——
座敷の御簾みすをいっぱいに張り出すようにしてすそをおさえた中で、五節ごせちという生意気な若い女房と令嬢は双六すごろくを打っていた。
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)
今年源氏は五節ごせちの舞い姫を一人出すのであった。たいした仕度したくというものではないが、付き添いの童女の衣裳いしょうなどを日が近づくので用意させていた。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
五節ごせちなどといって、世の中がはなやかに明るくなるころ、大将の子息たちが殿上勤めにはじめて出たといって、六条院へ来た。二人とも非常に美しい。
源氏物語:42 まぼろし (新字新仮名) / 紫式部(著)
その中に源氏の情人であった五節ごせちの君は、須磨に上陸ができるのでもなくて哀愁の情に堪えられないものがあった。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
今日は五節ごせちの当日であると薫は京を思いやっていた。風がひどくなり、雪もあわただしく降り荒れていた。
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
陛下が五節ごせちの童女だけを御覧になる日の練習に、縁側を歩かせて見て決めようと源氏はした。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
筑前守は泣く泣く帰って、源氏の住居すまいの様子などを報告すると、大弐をはじめとして、京から来ていた迎えの人たちもいっしょに泣いた。五節ごせちの君は人に隠れて源氏へ手紙を送った。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
この女と同じほどの階級の女としては九州に行っている五節ごせち可憐かれんであったと源氏は思った。どんな所にも源氏の心をくものがあって、それがそれ相応に源氏を悩ましているのである。
源氏物語:11 花散里 (新字新仮名) / 紫式部(著)
今年の五節ごせちは十一月にはいってすぐになり、御所辺の空気ははなやかなものになって、それに引かれておいでになるというのでもなく、わざわざ宇治をおたずねになろうとしないのでもなく
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
五節ごせちは横から
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)