乳児ちのみご)” の例文
普通の乳児ちのみごよりはずっと大きく小児こどもらしくなっておいでになって、このごろはもうからだを起き返らせるようにもされるのであった。
源氏物語:07 紅葉賀 (新字新仮名) / 紫式部(著)
女その乳児ちのみごを忘れて己が腹の子を憐まざる事あらんや。たとい彼ら忘るる事ありとも我は汝を忘るることなし(イザヤ四九の十五)。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
というに仕方が無いから、番頭は奥にきますると、乳児ちのみごに乳を含ませて、片手で其処此処片付けて居りました。
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
『ハハア、そのお人も矢張りお嫁様に行つたのだなツす?』と、乳児ちのみごを抱いて来たかかあが訊いた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
娘お徳は次の間に乳児ちのみごを抱いて居りましたが、孝助の帰るを聞き、飛立つばかり、嬉し涙を拭いながら出て来て
手前は旅の者でございますが、夫婦で乳児ちのみご
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
婆々ばゞは奥より乳児ちのみごを抱いて参る。