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不可得
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ふかとく
ふりがな文庫
“
不可得
(
ふかとく
)” の例文
三世にわたるなんてえのは、
大袈裟
(
おおげさ
)
な
法螺
(
ほら
)
だろうが、
不可得
(
ふかとく
)
と云うのは、こんな事を云うんじゃなかろうかと思う。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それ故わたくしは蘭軒が
何
(
いづ
)
れの書を講じたかを究めむと欲して、大いに推定の困難を感ずる。蘭軒の講ずべき書を此中に求めむことは、殆ど
不可得
(
ふかとく
)
である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
人生の
外
(
ほか
)
に出で、人生を望み見て、人生を思議する時、人生は遂に
不可得
(
ふかとく
)
なり。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
その
後
(
のち
)
さる温泉場で退屈だから、宿の本を借りて読んで見たらいろいろ下らない御経の文句が並べてあったなかに、心は三世にわたって
不可得
(
ふかとく
)
なりとあった。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
これをもつと
六
(
む
)
づかしい哲学的な言葉で
云
(
い
)
ふと、
畢竟
(
ひつきやう
)
ずるに過去は一の
仮象
(
かしやう
)
に過ぎないといふ事にもなる。金剛経にある過去
心
(
しん
)
は
不可得
(
ふかとく
)
なりといふ意義にも通ずるかも知れない。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
“不可”で始まる語句
不可
不可思議
不可能
不可解
不可侵
不可致
不可抗
不可侵境
不可抗力
不可然