下馬げば)” の例文
泰平つづきの公方様くぼうさまの世だ。その新年の盛儀である。大手下馬げばさきは掃ききよめられて塵一本もとどめない。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
こうなっては凡夫も同じではないか? あの実方さねかたの中将は、この神の前を通られる時、下馬げばはいもされなかったばかりに、とうとう蹴殺けころされておしまいなすった。
俊寛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
致され恐入おそれいつ退出たいしゆつせらる跡より大目附土屋六郎兵衞下馬げばより駕籠かご打乘うちのり御徒士目附おかちめつけ御小人目附おこびとめつけ警固けいごして越前守を數寄屋橋内の御役宅へ送られ土屋六郎兵衞より閉門へいもん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
殿様も外人が下馬げばして脱帽だつぼうしわびることなら許してつかわせといわれた。そこで通訳は外人に向かい
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「このばか者、落馬ではない、二ノ矢を避けるために下馬げばしたのだ」