三艘さんぞう)” の例文
すぐ川堤かわづつみを、十歩とあしばかり戻り気味に、下へ、大川おおかわ下口おりくちがあつて、船着ふなつきに成つて居る。時に三艘さんぞうばかりながれに並んで、岸の猫柳に浮いて居た。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まず第一は菱形屋ひしがたやでしょ。この家の持ち舟は屋台が三艘さんぞう。つづいて評判なのは一奴いちやっこ。それから海月、丁字屋、舟吉ふなよしとね、まず以上五軒が一流ですよ
座長がまっさきにのりかゝつて、ぎよつとした。三艘さんぞうのうちの、一番大形おおがたに見える真中の船であつた。
光籃 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)