三竿さんかん)” の例文
それでも暁方あけがたになると神経がしずまって、それから熟睡に落ちて、朝日の三竿さんかんに上る頃にやっと眼をさましました。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
実際、陽はすでに三竿さんかん、丞相府の各庁でも、みなひと仕事すましてひるの休息をしている時分だった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
所謂いわゆる、朝寝坊が起さるる時にして、数回に亘る呼び声に応答しつつ、又も熟睡に陥り、日三竿さんかんに及びて蹶起けっきして、今日は唯一回の呼声にて覚醒したりなぞ主張する事珍らしからざるは
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
日が三竿さんかんにもなって、相当の時が来れば、そうそういい気持で内職の船を漕いでばかりはいられないと見えて、一人、二人ずつかおが揃ってくると、早くも
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いつになく彼は日の三竿さんかんにいたるまで寝所から出て来なかった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)