三原山みはらやま)” の例文
三原山みはらやまの投身自殺でも火口の深さが千何百尺と数字が決まれば、やはり火口投身者の中での墜落高度のレコードを作ることになるかもしれない。
記録狂時代 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
これは熱海あたみの海岸などによくある竹のかきいめぐらして、湯槽ゆぶねの中から垣ごしに三原山みはらやま噴煙ふんえんが見えようというようなオープンなものではなく
大島おほしまといふ名前なまへ火山島かざんとう伊豆いづ渡島おしまとにある。伊豆いづ大島おほしまゆうする火山かざん三原山みはらやまたか七百五十五米しちひやくごじゆうごめーとる)とづけられ、噴火ふんかふる歴史れきしゆうしてゐる。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
三原山みはらやまもにぎわわず、婦人雑誌は特種を失い、学問の自由などという言葉も雲消霧散するのではないかという気がする。
錯覚数題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかし三原山みはらやまのは新聞に出るが、浅間のは出ない。ジャーナリズムというものを説明する場合の一つのよい引用例になると思う。(昭和八年十月、渋柿)
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
三原山みはらやま投身者が大都市の新聞で奨励されると諸国の投身志望者が三原山に雲集するようなものである。
ジャーナリズム雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その三原山みはらやま行きの糧食としてN先生が青木堂あおきどうで買って持って行ったバン・フーテンのココア、それからプチ・ポアの罐詰かんづめやコーンド・ビーフのことを思い出したので
詩と官能 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
しかし、ともかくも、たとえば、三原山みはらやま投身者だけについてでも、もしわかるものならその中で俳句をやっていた人が何プロセントあったか調べてみたいような気がする。
俳諧瑣談 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
ひと月に何度かは今でも三原山みはらやま投身者の記事が出る。いったいいつまでこのおさだまりの記事をつづけるつもりであるのかその根気のよさにはだれも感心するばかりであろう。
ジャーナリズム雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
かつて自分がN先生とI君と三人で大島おおしま三原山みはらやまの調査のために火口原にテント生活をしたときの話が出たが、それが明治何年ごろの事だったかつい忘れてしまってちょっと思い出せなかった。
詩と官能 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)