丈夫おとこ)” の例文
◯次に「汝腰ひきからげて丈夫おとこの如くせよ、我れ汝に問わん、汝われに答えよ」とありて次に左の如く言う。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
それに少弐しょうにの太郎頼尚は、かならず戻ると言って上陸あがって行った。彼の容子にどこか憂いが見えぬでもないが、二心ない丈夫おとこと尊氏は見込んでおる。まずもすこし待ってみるがいい
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さても方様かたさまの憎い程な気強さ、ここなり丈夫おとこの志をぐるはとむれ同志どうしを率いて官軍に加わらんとし玉うをとどむるにはあらねど生死しょうじ争う修羅しゅらちまたふみりて、雲のあなたの吾妻里あづまじ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
クウフリンは年齢からいえばまだ少年であった、しかしスカイに来たとき少年であった彼は丈夫おとことなってその地を去った。女王もほかの女たちもクウフリンより美しい人を見たことがなかった。
ラモンも自分が霊魂を持っていると知る前には一人の丈夫おとこであった、その時分であったら、この海ぞいの部落バルテレイルの酋長の彼が備えもせずに敵に襲われるような事はなかったであろう。
剣のうた (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)