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七蔵
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しちぞう
七蔵がゆがみたる耳を貫けば
是も我慢の
角を
落して
黒山の
鬼窟を
出、
発心勇ましく田原と共に左右の
御前立となりぬ。
おれが仏なら、
七蔵頓死さして
行衛しれぬ親にはめぐりあわせ、
宮内省よりは貞順善行の
緑綬紅綬紫綬、あり
丈の
褒章頂かせ、小説家には
其あわれおもしろく書かせ
七蔵衣装立派に着飾りて顔付高慢くさく、
無沙汰謝るにはあらで誇り
気に今の身となりし本末を語り、
女房に都見物
致させかた/″\
御近付に
連て参ったと
鷹風なる言葉の尾につきて