丁半ちょうはん)” の例文
そこで、相撲も、凧上げも禁じない如く、丁半ちょうはん、ちょぼ一、みつぼの胴を取ることまでも、主膳は喜んで見物する。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いったい丁半ちょうはんに法則がないというのが定説だ。早い話がポアンカレとかブルヌイユなんていうソルボンヌの大数学者が精密な計算を例にひいて証明している。
黒い手帳 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「ははあ、兄ちゃん、まだ、ズブの素人だな。丁半ちょうはんさ。ばくちだよ」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「いいから、窓でも締めねえってことさ。こうして、車座になっていると、うっかり丁半ちょうはんとでも間違われるわな。おう、だいぶ風が出たのう。だが、吹いてるからいいようなものの、これが収まりゃ、そりゃ事だぜ」
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「いかさまッたって、おめえ、丁半ちょうはんじゃねえぜ」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
これは商売人くろうと懐賽ふところざいってやつで、駈出しには持てません、さて早速ながら本文に移りますが、バクチというやつも、その種類を数え立てると千差万別、際限はねえんですが、まず丁半ちょうはん
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)