一人前いちにんめえ)” の例文
これなんだと、芸一方で売りたいと、それはお月姉さんのような立派なお方の云う事だ、お前なんぞは今日此の頃芸者になり、一人前いちにんめえになったのは誰のお蔭だ、お前が七歳なゝつの時
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まだ一人前いちにんめえじゃねえ。——時にあの泰安さんは、どうして死んだっけな、御小僧さん」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それからまアやっとのこっ因幡町いなばちょうの棟梁のとけえ転がり込んだが、一人前いちにんめえ出来た仕事も身体が利かねえから宰取をして、今日始めて手伝てつでえに出て、うして妹にうと云うなア不思議だ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)