田部隆次
1875.10.20 〜 1957.12.20
翻訳者としての作品一覧
秋月先生の古稀を祝して(旧字旧仮名)
読書目安時間:約3分
秋月老先生、—— 『世界に於ける最も丁寧なる人々』の禮儀を知らない私、それから上品にして美はしい種類の挨拶の言葉のあるその國語を知らない一外國人である私は、私の恭しき賀状を御送り申 …
読書目安時間:約3分
秋月老先生、—— 『世界に於ける最も丁寧なる人々』の禮儀を知らない私、それから上品にして美はしい種類の挨拶の言葉のあるその國語を知らない一外國人である私は、私の恭しき賀状を御送り申 …
生霊(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
昔、江戸霊岸島に喜兵衞と云う金持ちの瀬戸物店があった。喜兵衞は六兵衞と云う番頭を長く使っていた。六兵衞の力で店は繁昌した、——余り盛大になって来たので、番頭独りでは管理して行かれな …
読書目安時間:約6分
昔、江戸霊岸島に喜兵衞と云う金持ちの瀬戸物店があった。喜兵衞は六兵衞と云う番頭を長く使っていた。六兵衞の力で店は繁昌した、——余り盛大になって来たので、番頭独りでは管理して行かれな …
おかめのはなし(新字新仮名)
読書目安時間:約6分
土佐の国名越の長者權右衞門の娘おかめは、その夫八右衞門を非常に好いていた。女は二十二、八右衞門は二十五であった。余り夫を愛するので、世間の人は嫉妬の深い女だろうと思った。しかし男は …
読書目安時間:約6分
土佐の国名越の長者權右衞門の娘おかめは、その夫八右衞門を非常に好いていた。女は二十二、八右衞門は二十五であった。余り夫を愛するので、世間の人は嫉妬の深い女だろうと思った。しかし男は …
おしどり(新字新仮名)
読書目安時間:約2分
陸奥の国、田村の郷の住人、村允と云う鷹使でありかつ猟師である男がいた。ある日猟に出たが鳥を得ないで空しく帰った。その途中赤沼と云う所でおしどりが一つがい泳いでいるのを見た。おしどり …
読書目安時間:約2分
陸奥の国、田村の郷の住人、村允と云う鷹使でありかつ猟師である男がいた。ある日猟に出たが鳥を得ないで空しく帰った。その途中赤沼と云う所でおしどりが一つがい泳いでいるのを見た。おしどり …
お貞のはなし(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
昔、越後国新潟の町に長尾長生と云う人があった。 長尾は医者の子であった。それで父の業をつぐべき教育をうけた。小さい時に父の友人の娘お貞と云うのと婚約ができていた。長尾の修行の終り次 …
読書目安時間:約5分
昔、越後国新潟の町に長尾長生と云う人があった。 長尾は医者の子であった。それで父の業をつぐべき教育をうけた。小さい時に父の友人の娘お貞と云うのと婚約ができていた。長尾の修行の終り次 …
雉子のはなし(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
昔、尾州遠山の里に若い農夫とその妻が住んでいた。家は山の間の淋しい場所にあった。 ある夜妻は夢を見た。その夢に数年前になくなった舅が来て『明日自分は非常に危険な目に遇うから、できる …
読書目安時間:約3分
昔、尾州遠山の里に若い農夫とその妻が住んでいた。家は山の間の淋しい場所にあった。 ある夜妻は夢を見た。その夢に数年前になくなった舅が来て『明日自分は非常に危険な目に遇うから、できる …
術数(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
屋敷の庭で死刑が執行される事にきまった。その罪人は引き出された。今も読者が日本庭園で見られるような飛石の一列が真中にある、砂を敷いた広場へ坐らされた。彼は後ろ手に縛られていた。家来 …
読書目安時間:約4分
屋敷の庭で死刑が執行される事にきまった。その罪人は引き出された。今も読者が日本庭園で見られるような飛石の一列が真中にある、砂を敷いた広場へ坐らされた。彼は後ろ手に縛られていた。家来 …
常識(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
昔、京都に近い愛宕山に、黙想と読経に余念のない高僧があった。住んでいた小さい寺は、どの村からも遠く離れていた、そんな淋しい処では誰かの世話がなくては日常の生活にも不自由するばかりで …
読書目安時間:約5分
昔、京都に近い愛宕山に、黙想と読経に余念のない高僧があった。住んでいた小さい寺は、どの村からも遠く離れていた、そんな淋しい処では誰かの世話がなくては日常の生活にも不自由するばかりで …
死霊(新字新仮名)
読書目安時間:約3分
越前の国の代官、野本彌治衞門の歿した時、その下役の者共相謀って、その故主人の遺族をだまそうとした、代官の負債の幾分を償却すると云う口実の下に、その家の財宝家具全部を押えた。その上、 …
読書目安時間:約3分
越前の国の代官、野本彌治衞門の歿した時、その下役の者共相謀って、その故主人の遺族をだまそうとした、代官の負債の幾分を償却すると云う口実の下に、その家の財宝家具全部を押えた。その上、 …
茶碗の中(新字新仮名)
読書目安時間:約5分
読者はどこか古い塔の階段を上って、真黒の中をまったてに上って行って、さてその真黒の真中に、蜘蛛の巣のかかった処が終りで外には何もないことを見出したことがありませんか。あるいは絶壁に …
読書目安時間:約5分
読者はどこか古い塔の階段を上って、真黒の中をまったてに上って行って、さてその真黒の真中に、蜘蛛の巣のかかった処が終りで外には何もないことを見出したことがありませんか。あるいは絶壁に …
忠五郎のはなし(新字新仮名)
読書目安時間:約8分
昔、江戸小石川に鈴木と云う旗本があって、屋敷は江戸川の岸、中の橋に近い所にあった。この鈴木の家来に忠五郎と云う足軽がいた。容貌の立派な、大層愛想のいい、怜悧な若者で、同僚の受けも甚 …
読書目安時間:約8分
昔、江戸小石川に鈴木と云う旗本があって、屋敷は江戸川の岸、中の橋に近い所にあった。この鈴木の家来に忠五郎と云う足軽がいた。容貌の立派な、大層愛想のいい、怜悧な若者で、同僚の受けも甚 …
明治三十四年東京帝国大学文学部卒業生に(旧字旧仮名)
読書目安時間:約2分
一九〇六年五月二十六日東京 親愛なる學生及び友人諸君、 私は一九〇一年の卒業生諸君の立派な寫眞、及びそれぞれの肖像に小さい索引をつけて下さつた思慮深き御親切に對して、心から御禮を申 …
読書目安時間:約2分
一九〇六年五月二十六日東京 親愛なる學生及び友人諸君、 私は一九〇一年の卒業生諸君の立派な寫眞、及びそれぞれの肖像に小さい索引をつけて下さつた思慮深き御親切に對して、心から御禮を申 …
幽霊滝の伝説(新字新仮名)
読書目安時間:約4分
伯耆の国、黒坂村の近くに、一条の滝がある。幽霊滝と云うその名の由来を私は知らない。滝の側に滝大明神と云う氏神の小さい社があって、社の前に小さい賽銭箱がある。その賽銭箱について物語が …
読書目安時間:約4分
伯耆の国、黒坂村の近くに、一条の滝がある。幽霊滝と云うその名の由来を私は知らない。滝の側に滝大明神と云う氏神の小さい社があって、社の前に小さい賽銭箱がある。その賽銭箱について物語が …
雪女(新字新仮名)
読書目安時間:約7分
武蔵の国のある村に茂作、巳之吉と云う二人の木こりがいた。この話のあった時分には、茂作は老人であった。そして、彼の年季奉公人であった巳之吉は、十八の少年であった。毎日、彼等は村から約 …
読書目安時間:約7分
武蔵の国のある村に茂作、巳之吉と云う二人の木こりがいた。この話のあった時分には、茂作は老人であった。そして、彼の年季奉公人であった巳之吉は、十八の少年であった。毎日、彼等は村から約 …
ろくろ首(新字新仮名)
読書目安時間:約14分
五百年ほど前に、九州菊池の侍臣に磯貝平太左衞門武連と云う人がいた。この人は代々武勇にすぐれた祖先からの遺伝で、生れながら弓馬の道に精しく非凡の力量をもっていた。未だ子供の時から劒道 …
読書目安時間:約14分
五百年ほど前に、九州菊池の侍臣に磯貝平太左衞門武連と云う人がいた。この人は代々武勇にすぐれた祖先からの遺伝で、生れながら弓馬の道に精しく非凡の力量をもっていた。未だ子供の時から劒道 …
“田部隆次”について
田部 隆次(たなべ りゅうじ、1875年(明治8年)10月20日 - 1957年(昭和32年)12月20日)は、日本の英文学者。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)
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