“ケーン”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
洋杖50.0%
杖50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼の上品な洋袴(ズボン)はところどころ裂け、洋杖(ケーン)を握る拳(こぶし)には掻(か)き傷(きず)ができて血が流れだしたけれど、一郎はまるでそれを意に留めないように見えた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
二三歩いってはキョロキョロ前後を見廻わし、また二三歩いっては耳を傾け、それからまたすこし行っては洋杖(ケーン)でもって笹の根もとを突いてみたりするのであった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
このとき公園の小径に、一人の怪しい行人(こうじん)が現れた。怪しいといったのはその風体(ふうてい)ではない。彼はキチンとした背広服を身につけ、型のいい中折帽子を被り、細身の洋杖(ケーン)を握っていた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「そ、それを御承知のくせに」とクリヴォフ夫人はたまらなくなったように立ち上り、杖(ケーン)を荒々しく振って叫んだ。「だからこそ私達は、その伴侶を焼き捨てて欲しいと御願いするのです」
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
けれども、なによりこの三人には、最初から採証的にも疑義を差し挾む余地はなかったのである。やがて、クリヴォフ夫人は法水の前に立つと、杖(ケーン)の先で卓子(テーブル)を叩き、命ずるような強(きつ)い声音で云った。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)