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よすけ
「
家へいったら、にわとりを三
羽やるぞ。」と、
与助は、ちょうど
念仏を
唱えるように、
同じことを
繰り
返していいながら
歩きました。
「
人間の
命を
取ろうなんていうのが、ふらちなんだから、おおかみの
約束を
破ったってさしつかえない。」と、
与助はいっていました。
そして、いつしか、だれいうとなく、りこう
者の
与助は、「
臆病者の
与助」と、みんなからあだ
名されるようになってしまったのであります。
縁を切っても片時も忘れる
暇は有りません故、或日
用達に参って帰りがけ、旧来居ります
與助と云う奉公人を連れて、
窃っと忍んで参り、お累の
家の軒下に立って