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めしちりめん
何時も
不断着に
鼠地の
縞物のお
召縮緬の
衣服を着て
紫繻子の帯を
〆めていたと云うことを
聞込んだから、私も
尚更、いやな気が
起って早々に転居してしまった。
と云うと、いつもはお
召縮緬の
召物だが、今日は渋いお
装をして見せようと思ってと、又モヤ/\として
それから立って、黒塗の箪笥から
袿を出して女に
被せた。派手な
竪縞のお
召縮緬に紫
繻子の襟が掛けてある。この中年増が
所謂番新というのであろう。女は黙って手を通す。