“ほんごうだい”の漢字の書き方と例文
語句割合
本郷台100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私はとうとう万世橋まんせいばしを渡って、明神みょうじんの坂を上がって、本郷台ほんごうだいへ来て、それからまた菊坂きくざかを下りて、しまいに小石川こいしかわの谷へ下りたのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
やがて、浅草の灯に別れると、酔のさめたように娘の足どりは少し早めになって、下谷裏町したやうらまちから本郷台ほんごうだいの方角へ向ってゆく。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おそらく本郷台ほんごうだいであろう、煙が烈風に吹き払われるのでかがりは立っていないが、研ぎだしの金梨地きんなしじのようなこまかい火の粉が、条をなして駿河台するがだいのほうへなびいていた、おせんは舌が硬ばり
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ある日私はまあうちだけでも探してみようかというそぞろごころから、散歩がてらに本郷台ほんごうだいを西へ下りて小石川こいしかわの坂を真直まっすぐ伝通院でんずういんの方へ上がりました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
我々は夕暮の本郷台ほんごうだいを急ぎ足でどしどし通り抜けて、また向うのおかのぼるべく小石川の谷へ下りたのです。私はそのころになって、ようやく外套がいとうの下にたい温味あたたかみを感じ出したぐらいです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)