“ぶつこ”の漢字の書き方と例文
語句割合
物故100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
物故ぶつこしてから、もう彼是かれこれ五十年になるが、生前一時は今紀文いまきぶん綽号あだなされた事があるから、今でも名だけは聞いてゐる人があるかも知れない。
孤独地獄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
其他そのた裁判官さいばんくわんも有る、会社員も有る、鉄道の駅長も有る、なかには行方不明ゆくへふめいなのも有る、物故ぶつこしたのも有る、で、銘々めい/\げふちがふからしておのづから疎遠そゑんる、長い月日には四はうさんじてしまつて
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
わたしはやはりこの書斎に瓦斯ガス煖炉の火を守つてゐた。わたしと一しよに坐つてゐたのは先生の奥さんとMとである。先生はもう物故ぶつこしてゐた。Mとわたしとは奥さんにいろいろ先生の話を聞いた。
漱石山房の冬 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)