“ひとめぐ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一巡54.5%
一廻27.3%
一周9.1%
一週9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いや、何様へ何をという、目に見えた話ではねえんだ、わしらは、いつかある時期を見て、日本中を歩いて一巡ひとめぐりして来てえと思ってたでね」
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
秋が近くなつて、薄靄うすもやの掛かつてゐる松林の中の、清い砂を踏んで、主人はそこらを一廻ひとめぐりして来て、八十八やそはちという老僕のこしらへた朝餉あさげをしまつて、今自分の居間に据わつた処である。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
煙草吸い吸い構内を一周ひとめぐりして見ると、新聞記者らしい者の影が一つも見えない。町が小さいのか、新聞社が貧弱なのか。停車場専門の記者が居ないと見える。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
叔父はわずかに一週ひとめぐりの休暇を賜わッて来たので、一週りの時日はほんの夢の間のようであッた。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)