“ひそく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
飛足33.3%
悲惻33.3%
秘速33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その陣幕じんまくをはらいあげて、忍剣にんけんは、蚕婆には見むきもせず、飛足ひそくばしておどりこむなり、稲妻いなずまのようにつぎのとばりのへ、チラとげこんだ黒衣こくいそでを、グッとつかんだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浮体ふたいの法、飛足ひそく呼吸いき遠知えんちじゅつ木遁もくとんその他の隠形おんぎょうなど、みなかれが何十年となく、深山にくらしていたたまもので、それはだれでもこうをつめば、できないふしぎや魔力ではない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
亀谷省軒は「文中悲惻ひそく哀傷等ノ字ヲ著ケズ。シカモ句句嗚咽おえつ篇ヲ終ルニ忍ビズ。コレ文ノ至レル者。」と言っている。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
およそ、お城普請ぶしんには、三つの法がある。第一が秘速ひそく。秘密に迅速ということである。第二には堅粗けんそ、堅固にして粗なるもよしということである。装飾や美観は泰平になってからやれば宜しい。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)