“はるぜみ”の漢字の書き方と例文
語句割合
春蝉100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
頓着とんちゃくなく日は立って行く。わかれ霜を気遣うたは昨日の様でも、最早春蝉はるぜみが鳴き出して青葉のかげがそゞろこいしい日もある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
春蝉はるぜみらしいものが鳴き出した、河鹿かじかの声に似ているが更に細くかすかで、とおるようにほがらかだ、森の精が歌っているのではなかろうか。いつか燕万年青つばめおもとの白い花が路傍に咲いている林に出る。
渓三題 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
やまなかでは、もう春蝉はるぜみいていました。
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
畑では麦が日に/\照って、周囲あたりくらい緑にきそう。春蝉はるぜみく。剖葦よしきりが鳴く。かわずが鳴く。青い風が吹く。夕方は月見草つきみそうが庭一ぱいに咲いてかおる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)