“ぬひのかみ”の漢字の書き方と例文
語句割合
縫殿頭100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
冠山は因幡国鳥取の城主松平氏の支封松平縫殿頭ぬひのかみ定常で、実は池田筑前守政重の弟である。その茶山に託したのは何事か、今考へることが出来ない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
流し平伏してぞ居たりける時に縫殿頭ぬひのかみ殿公用人櫻井文左衞門藤八に向ひ夫なる節と申女は如何なる身分の者にて其方養女に致せしぞと申すに藤八つゝしんでおもて
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お針の亭主が縫殿頭ぬひのかみ山井庸仙やまゐようせん老が典薬頭、売卜の岩洲友当いはずともあて陰陽おんやう博士はかせになるといふ騒ぎ、たゞ暦日博士だけにはなれる者が無かつたと、京童きやうわらべが云つたらしい珍談が残つてゐる。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
呼出す此時正面しやうめんには松平縫殿頭ぬひのかみ殿少し下りて右の座へ梶川かじかわ庄右衞門殿次には公用人こうようにん櫻井文右衞門田村治兵衞此方には川上さだ八石川彌兵衞浦野うらのもん兵衞縁側際えんがはぎはには足輕あしがる五六人非常ひじやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
(中略。)巻首の四大字は東久世通禧ひがしくぜみちよし公、次は養素軒柳原大納言前光さきみつ公、愛古堂磐渓、秋月公、大給亀崖おぎふきがい公(即松平縫殿頭ぬひのかみの事也)、跋は片桐玄理と申せし家塾に居りし御存之者ごぞんじのもの
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
青竹にはさみ往來の傍らに平伏なし大音上で願ひ上ますと青竹を差出せば松平縫殿頭ぬひのかみ殿駕籠を止めよと聲をかけらるれば駕籠脇かごわきの侍士石井彌兵衞右の訴状を受取り駕籠かごの中へ差出すを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)