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ぬいはく
萌黄や、金銀の
縫箔光を放って、板戸も松の絵の影に、雲白く
梢を
繞る
松林に日の
射す中に、一列に
並居る時、
巫子するすると
立出でて、美女の
面一人ごとに、式の白粉を施し、紅をさし
『昔々物語』によれば、昔は普通の女が
縫箔の
小袖を着るに対して、遊女が縞物を着たという。
天明に至って
武家に縞物着用が公許されている。そうして、
文化文政の遊士通客は
縞縮緬を最も好んだ。
幽禅染もしくは
繍箔の製造せられたるは、これわが人民が
紅花染の綿衣すら着くるあたわざるものありたればなり。