“どんぐり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
団栗78.8%
團栗11.5%
橡栗3.8%
団粟1.9%
鈍愚利1.9%
鈍栗1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父親はにがてらしい、家来のなかで黒板権兵衛というのも、ひげなんぞはやして団栗どんぐりまなこで、ちょっとゆだんができないかもしれない。
桑の木物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
少年の日のやるせない哀感を唄った『龍舌蘭りゅうぜつらん』と、若くして逝った可憐な最初の奥さんの追憶『團栗どんぐり』とは、ともに美しい散文詩である。
寅彦の作品 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
弟どもも一人一人の知行はえながら、これまで千石以上の本家によって、大木の陰に立っているように思っていたのが、今は橡栗どんぐり背競せいくらべになって、ありがたいようで迷惑な思いをした。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
呼ばわり連れると、ひょいひょいと三人出た……団粟どんぐりほどな背丈を揃えて、紋羽もんばの襟巻をくびに巻いた大屋様。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
旅は人の心を空ッポにするものぢやよ。そのくせひどく感動しやすくなるもんだから、貴公のやうな鈍愚利どんぐりでも時あればむやうに酒が恋しくなるかも知れん。
道也先生は黙然もくねんとしている。鈍栗どんぐり煙草たばこをすぱすぱむ。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)