“とたび”の漢字の書き方と例文
語句割合
十度100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その妻は見るもいとはしき夫のそばに在る苦を片時も軽くせんとて、彼のしげ外出そとで見赦みゆるして、十度とたび一度ひとたびも色をさざるを風引かぜひかぬやうに召しませ猪牙ちよきとやらの難有ありがたき賢女の志ともいただき喜びて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
し其の身に附いてゝも其の子の代には屹度消える訳のもので、火事盗難という物が有るから、どんなでか身上しんしょうでも続いて十度とたびも火難に出逢い、たてたんびに蔵までも焼いたら堪るものじゃなかろう
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
女房 お国でたとえはむずかしい。……おお、五十三次と承ります、東海道を十度とたびずつ、三百度、往還ゆきかえりを繰返して、三千度いたしますほどでございましょう。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)