“だれそれがし”の漢字の書き方と例文
語句割合
誰某100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
誰某だれそれがしが何を欲しいと云うから、ちょっと拝見とか、何々氏がこう云う物を希望だから、見せましょうとかごうして、品物を持って行ったぎり、返して来ない。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ことごとく旧知の様にあしらつてゐる。御客が帽子と外套を給仕に渡して、広い階子はしご段の横を、くらい廊下の方へ折れると、三四郎に向つて、今のは誰某だれそれがしだと教へて呉れる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その母がまた病気にかかって、いよいよ息を引き取るという、まぎわに、自分が死んだら誰某だれそれがしの世話になれという。子供が会ったこともない、知りもしない人を指名する。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お客が帽子と外套がいとうを給仕に渡して、広い梯子段はしごだんの横を、暗い廊下の方へ折れると、三四郎に向かって、今のは誰某だれそれがしだと教えてくれる。三四郎はおかげで知名な人の顔をだいぶ覚えた。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
強ひて聞くと、実は誰某だれそれがしが御前の本当の御父おとつさんだとかすかな声で云つた。——まあ話だが、さういふ母を持つた子がゐるとする。すると、其子が結婚に信仰を置かなくなるのは無論だらう
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其母が又病気にかゝつて、いよいよいきを引き取るといふ、間際まぎはに、自分が死んだら誰某だれそれがしの世話になれといふ。子供がつた事もない、知りもしない人を指名する。理由わけを聞くと、母が何とも答へない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)