“すりき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
摺切42.9%
擦切28.6%
摩切14.3%
消磨14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
軒前のきさきに、不精たらしい釣荵つりしのぶがまだかかって、露も玉も干乾ひからびて、蛙の干物のようなのが、化けて歌でも詠みはしないか、赤い短冊がついていて、しばしば雨風をくらったと見え、摺切すりきれ加減に
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は裏の擦切すりきれた下着や、すそから綿の出た褞袍どてらなぞを取出して、それを次の部屋に居るあによめや祖母さんに見せ
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
畳はどんなか知らぬが、部屋一面に摩切すりきれた縁なしの薄縁うすべりを敷いて、ところどころ布片で、破目やぶれめが綴くってある。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
沈黙男子の価値ねうちはとうに消磨すりきえてしまったが、かの手紙を出してから数えるとおよそ十日の後、国元の父庄右衛門が前触さきぶれもなくにわかに出京して、着したばかりでただちに秋元へ尋ねて来た。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)