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すじぼね
眉を造った、
白粉の濃い、金縁の眼鏡に
瞼の
皺をかくした顔こそ若けれ、あらわに見ゆる
筋骨は数四十であるのに、彼を
抱くものあらば正にその者の手の下なるべき、左の
背を肩へかけて
そこへ、はらはらとかかる
白絽の
袂に、魂を結びつけられたか、と思うと、
筋骨のこんがらかって、
捌のつかないほど、
揉み立てられた
身体が、自然に
歩行く。……足はどこを踏んだか覚えなし。
(この時人々の立かかるを
掻払う)
六根清浄、澄むらく、
浄むらく、清らかに、神に仕うる身なればこそ、この
邪を手にも取るわ。
御身たちが悪く近づくと、見たばかりでも
筋骨を悩み
煩らうぞよ。