“すぎやま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
杉山77.8%
椙山22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
轟々ごうごうと空に風の鳴る夜、シトシトとはださむい小雨こさめ杉山すぎやまりてくる朝、だれもがきっとかれの身を考えた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此処は西欝々うつうつとした杉山すぎやまと、東若々わかわかとした雑木山ぞうきやまみどりかこまれた田圃で、はるか北手きたてに甲州街道が見えるが、豆人とうじん寸馬すんば遠く人生行路じんせいこうろを見る様で、かえってあたりのしずけさをえる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
と叫びながら、頼朝の体を突き飛ばし——そしてすぐ頼朝をたすけ起して、遮二無二しゃにむに椙山すぎやま谷の方へ向って逃げ出した。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
椙山すぎやまの深くまで辿たどりつくと実平は、戦の帰結に見きりをつけて、こう提議した。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さうした材料屋が「これは、頼朝が隱れた椙山すぎやまのあの木の埋れ木だ」といふ由緒から、土地の志賀さんに獻呈し、志賀さんがまた、「頼朝なら、吉川君行きだナ」と、客に語つたことかもしれない。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
五郎はふたたび頼朝を扶け励ましながら、椙山すぎやま谷ふかく逃げこんだ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)