椙山すぎやま)” の例文
と叫びながら、頼朝の体を突き飛ばし——そしてすぐ頼朝をたすけ起して、遮二無二しゃにむに椙山すぎやま谷の方へ向って逃げ出した。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
椙山すぎやまの深くまで辿たどりつくと実平は、戦の帰結に見きりをつけて、こう提議した。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さうした材料屋が「これは、頼朝が隱れた椙山すぎやまのあの木の埋れ木だ」といふ由緒から、土地の志賀さんに獻呈し、志賀さんがまた、「頼朝なら、吉川君行きだナ」と、客に語つたことかもしれない。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
五郎はふたたび頼朝を扶け励ましながら、椙山すぎやま谷ふかく逃げこんだ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)