“じんじつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
人日55.6%
尽日44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人日じんじつに蘭軒は自ら医範一部を写した。医範はもと蘭軒の父信階大升のぶしなたいしようが嘗て千金方きんはうより鈔出したものである。蘭軒手写の本は現に伊沢めぐむさんが蔵してゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
こんな不味い者を好んで食わなくても外に幾らも味のい野草がそこらにザラに在るでは無いか。貝原先生もこれを「正月人日じんじつ七草ノ一ナリ」と書いていらるるがこれもまた間違いである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
満園ノ奇香微風ニ動クハ菟裘ときゅうノ薔薇ヲううルナリ。ソノ清幽ノ情景ほとンド画図モ描クあたハズ。文詩モ写ス能ハザル者アリ。シカシテ遊客寥々りょうりょうトシテ尽日じんじつ舟車ノ影ヲ見ザルハ何ゾヤ。
向嶋 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
なんともほかからはっきりはめられないが、美妙斎はそのころから関係のあった、浅草公園の女、石井留女とめじょを、九月尽日じんじつ落籍らくせきして、その祝賀を、その、おなじ雑記帳へも書いているのだ。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)