“しゅんぷう”の漢字の書き方と例文
語句割合
春風100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その城とは、三里じゃく距離きょりをおいて、水屋みずやはらにかりの野陣をしいているのは、すなわち秀吉方ひでよしがた軍勢ぐんぜいで、紅紫白黄こうしびゃくおうの旗さしもの、まんまんとして春風しゅんぷうに吹きなびいていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日は嬢の手料理にかんよりもむしろ嬢の温情に飽かん。未来の我が妻、外に得難き良夫人と心はあだかも春風しゅんぷうに包まれたるごとし。春風は庭にも来にけん、梅花のかおり馥郁ふくいくとしてしつる。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
するりと抜け出たのは、九寸五分かと思いのほか、財布さいふのような包み物である。差し出した白い手の下から、長いひもがふらふらと春風しゅんぷうに揺れる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)