“しゅうけ”の漢字の書き方と例文
語句割合
主家100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
翌年は明和五年で伊織の弟宮重はまだ七五郎と云っていたが、主家しゅうけのその時の当主松平石見守乗穏いわみのかみのりやすが大番頭になったので、自分も同時に大番組にった。
じいさんばあさん (新字新仮名) / 森鴎外(著)
次いで登城して諸家しょけの留守居に会う。従者は自らやしなっている若党草履取ぞうりとりの外に、主家しゅうけから附けられるのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
暫く立つと、有竹氏の主家しゅうけ戸田淡路守氏養うじやすの隣邸、筑前国ちくぜんのくに福岡の領主黒田家の当主松平筑前守治之はるゆきの奥で、物馴れた女中を欲しがっていると云う噂が聞えた。
じいさんばあさん (新字新仮名) / 森鴎外(著)
石川貞白ははじめの名を磯野勝五郎いそのかつごろうといった。何時いつの事であったか、阿部家の武具係を勤めていた勝五郎の父は、同僚が主家しゅうけの具足を質に入れたために、ながいとまになった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
しかしそれをおうけをするには、どうしても津軽家の方を辞せんではいられない。己は元禄以来重恩の主家しゅうけてて栄達をはかる気にはなられぬから、公儀の方を辞するつもりだ。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)