“しにがお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
死顔63.6%
死貌13.6%
死面13.6%
死相9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人々の前に、少女の美しい死顔しにがおが始めてハッキリと現れたのだった。左胸部を中心に、衣服はベットリ鮮血せんけつに染っていた。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
見張の男の死貌しにがおはまことにおだやかであったけれども、人間のあらゆる秘密を解き得て死んで行った者のかおではなかった。平凡な、もはや兵隊でない市井人しせいじんの死貌であった。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
さながらに痩せこけた源次の死面しにがおのように、ジッと眼を閉じて、歯を喰い締めたまま永遠に凝固している無念の形相ぎょうそうであった……が……しかしその一文字に結んでいる唇の間から洩れ出す
斜坑 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
僕の見た轟氏の死相しにがおはスッカリ弛んで、眼を半分伏せて、口をダラリと開けたままグッタリとうなだれて机の下を覗いていたよ。僕の云うのはその手足の表情だ。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)