“さで”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
叉手55.6%
小網22.2%
11.1%
狭手11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父は、池の岸に腹這いになって、水底の藻草を叉手さでで掻きまわしている。餌にする藻蝦もえびを採っているのである。
父の俤 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
小網さでの雫に清酒きよみきの香をか嗅ぐらむ春日なか
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
こぼれ糸さでにつくりて魚とると二郎じろう太郎たろう三郎さぶろう川に日くらす
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
こぼれ糸さでにつくりて魚とると二郎太郎三郎川に日くらす
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
前には刀禰とねの大河が溶漾ようようと流れていた。上つ瀬には桜皮かにわの舟に小檝おがいを操り、藻臥もふじ束鮒つかふなを漁ろうと、狭手さで網さしわたしている。下つ瀬には網代あじろ人が州の小屋にこもって網代にすずきのかかるのを待っている。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)