“さうりやう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
爽涼33.3%
爽凉33.3%
総領33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小禽ことりが可愛くさへづつてゐた。ゆつくりと窓を開けると、かあつとした高原の空と、緑は、お互ひに、上と下とが反射しあつてゐるかのやうな爽涼さうりやうさであつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
広い森林地帯の中のユヱへの植民道路をかなり走つてから、やつと四囲に薄陽うすびし始め、晴々と夜が明けて来た。陽が射して来ると、空気がからりと乾いて、空の高い、爽涼さうりやうな夏景色がひらけて来た。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
旧弊で煩瑣はんさなものは、みんなぶちこはされて、一種の革命のあとのやうな、爽凉さうりやうな気がゆき子の孤独を慰めてくれた。何処よりも居心地のよさを感じて、酸つぱい蜜柑の袋をそこいらへ吐き散らした。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
山畠やまはたけにかけがへのないいねくさつては、餓死うゑじにでござりまする、総領さうりやうわしは一ばん働手はたらきて、かうしてはられませぬから、とことわりをいつて、やれくでねえぞ
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)