爽涼さうりやう)” の例文
小禽ことりが可愛くさへづつてゐた。ゆつくりと窓を開けると、かあつとした高原の空と、緑は、お互ひに、上と下とが反射しあつてゐるかのやうな爽涼さうりやうさであつた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
広い森林地帯の中のユヱへの植民道路をかなり走つてから、やつと四囲に薄陽うすびし始め、晴々と夜が明けて来た。陽が射して来ると、空気がからりと乾いて、空の高い、爽涼さうりやうな夏景色がひらけて来た。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)