“ごみばこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
芥箱40.0%
塵芥箱25.7%
塵箱17.1%
塵埃箱8.6%
五味箱2.9%
埃函2.9%
塵溜箱2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山の手では人の往来ゆききのかなり激しい道のはたにも暗くならぬうちから、下町では路地の芥箱ごみばこから夜通し微妙な秋の曲が放送せられる。道端や芥箱のみではない。
虫の声 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その上から松の枝も見える。石灰いしばいの散った便所の掃除口も見える。塵芥箱ごみばこの並んだ処もある。そのへんに猫がうろうろしている。人通りは案外にはげしい。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それ、私塵箱ごみばこから拾って来たんだけど、いけなかったかしら? アメリアさんが棄てた名刺なの。
お勝手口の塵埃箱ごみばこに魚の骨をうっちゃりに出たついで、そこに犬のいるのを見て、そっちへ骨を投げてやるように、連れていってお宮に逢わしてやろうというお情けかと、私はちょっと考えたが
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
が、アスフアルトの往来には五味箱ごみばこ一つ見えなかつた。それは又如何にも春の夜らしかつた。
春の夜は (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
埃函ごみばこなどの幾個いくつも出ている、細い路次口にたたずんでいる細君の耳に、そんな声が聞えたりした。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
丁度捨吉が芥取ごみとりを手にして草の根を捨てに湯殿の側の塵溜箱ごみばこの方へ通ろうとすると、じっとしてはいられないようなお婆さんも奥の方から来て勝手口のところへ顔を出した。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)