“こあざ”の漢字の書き方と例文
語句割合
小字100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
白望しろみの山続きに離森はなれもりと云う所あり。その小字こあざに長者屋敷と云うは、全く無人ぶじんの境なり。ここきて炭を焼く者ありき。或夜あるよその小屋の垂菰たれこもをかかげて、内をうかがう者を見たり。
遠野の奇聞 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
都に留まるよりも好んで片田舎に杖を止めた上人のこと故、その足跡の調査はしばしば困難を加えました。町や村ではなく、名も知れぬ小字こあざを地図の上に見出すのに多くの時を要しました。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
発戸ほっとの右に下村君しもむらぎみつつみ名村なむらなどという小字こあざがあった、藁葺屋根わらぶきやねあしたの星のように散らばっているが、ここでは利根川は少し北にかたよって流れているので、土手に行くまでにかなりある。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)