“くろろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
黒絽93.8%
6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
地味な柄の光らぬ単衣ひとえ物。黒絽くろろの帯に、これだけは思いきって派手な縫い模様。上品でしかもつややかなえりの好み、くちにおい。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
見れば薩摩飛白さつまがすり黒絽くろろの羽織を着流した、四十恰好かっこうの品の好い男が出た。神経の興奮しているらしい声で、こう云った。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
……ただいま傷口をあらため見まするところ、一見、水蛭の咬み傷の如くには見えまするが、実は水鳥を狩るにもちいるくろろ鏑形かぶらがたやじりによりできたる傷。
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
かく申すははばかりながら、若年のころより弓術に秀で、なかんずく、大和やまと流の笠懸蟇目かさがけひきめばん流のくろろともうす水矢みずやをよくいたしますなれど、うらぶれはてたる末なれば、これを世にだすよすがもなく
顎十郎捕物帳:09 丹頂の鶴 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)