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くびね
半ば斬放された
頸根から
迸り出る鮮血が、
揉みしだかれた掛軸の白を鮮かな紅に染めていった。
と陸奥守は異様な声で叫び、自分の
頸根ッ子を
掌で抑えた。
周三は、畫室を出ると、また父に取捕まつて、
首根つこを押へ付けて置いて
極め付けられるのが
怖いのだ。で、
辛氣臭いのをおつ
耐へて、穴籠と定めて了ふ。
鎧通しをひきぬき、
逆手にもって、グイと民部の
首根にせまった。民部は、そうはさせまいと、下から
短剣をぬき、足をもがき、ここ一
髪のあらそいとなって、たがいに必死。