“きんや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
欽哉22.2%
禁野22.2%
欣也11.1%
欣弥11.1%
欽也11.1%
欽弥11.1%
錦也11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あなたは空想家だ。小栗風葉の書いた欽哉きんやにそっくりだ。」と、戯談からかうように「欽哉々々。」と言っては
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
父のとむらいに大願寺を建て、一生孤独で終わろうとしたのだったが、その並みならぬ容色にこがれて言いよる若者のうちで、ひときわ熱烈なひとりの情にほだされて、河内かわち禁野きんやの里にしたのです。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
きんは、欣也きんやと云う名前で芸者に出たが、すぐ、講談雑誌なんかに写真が載ったりして、しまいには、その頃流行のエハガキになったりしたものである。
晩菊 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
そいつは花田欣弥きんやなどという、いやに優しいみたような、思わせぶりな名まえだし、色の白い眉の濃い、なかなかの美男子でもあった。ところがそれがくわせ者であった。
桑の木物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
それが婆さんの二番目の子息むすこになる欽也きんやという医者にれられて、笹村の家へ来たのは、もう朝晩に袷羽織あわせばおりがほしいような時節であった。笹村は、それまでにその欽也という男に二度も逢っていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「わかもと」の主人長尾欽弥きんや君がそこへ入って、製薬に著手ちゃくしゅした時には、貧乏のどん底であったが、たちまちめきめきと発展を遂げたので、狭くはあるし、寺の中にいるのもいやだから
商売の繁昌する家 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
ひとりは、手附てつけの用人伊吹大作の弟で錦也きんやであった。錦也は梅舎錦之助うめのやきんのすけと偽名して、一時お駒ちゃんの情夫となり、それとなしに磯五の人物、策動、磯屋の内幕などをさぐり出した人であった。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)