“きんどう”の漢字の書き方と例文
語句割合
金瞳100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの金瞳きんどう黒鷲くろわしともうしますものは、今年の春のくれつかた三方みかたはら万千代まんちよさまが、にせものの独楽こままわしにとられたものでござります。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
騒ぎもせず、そういって後ろの谷をのぞきましたが、その時見ると、薄化粧のお蝶の顔は、いつか、金瞳きんどう青眉のおそろしい般若はんにゃそうに取り変っていました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、やみの中から伊兵衛の腕首をつかんだ、青面金瞳きんどう夜叉やしゃ——口が耳まで裂けたる般若はんにゃの顔。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとみの中に火をかれたように、般若の金瞳きんどうがトロトロと燃えて、キバに裂かれた青ぐままで、急にすごく浮いて出ましたから、彼女が、アッと、それを投げようとしますと
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
青粘土あおねんどみたいに沈んでいるが、まなこは鯉の金瞳きんどうのごとく、黒漆こくしつのアゴひげをそよがせ、身のたけすぐれ、よく強弓をひき、つねに持つ緋房ひぶさかざりの一そうも伊達ではないと、城内はおろか
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのなまぐさい鼻風びふう砂礫されきを飛ばし、怒りは金瞳きんどうに燃え、第三の跳躍をみせるやいな、武松のからだを、まッ赤な口と、四ツ脚の爪の下に、引ッ裂かんとしたが、これまた武松にかわされると
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)